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ついつい話が長くなる方へのヒント  スポーツ実況アナの「2秒」の職人技

2017/07/11

トークレスキューの高木です。
「伝え方コラム」では人前の話に関する記事を掲載しています。

きょうのテーマは「話の長さ・短さ」です




夏の高校野球のシーズンです。

私もラジオ局のアナウンサー時代は
10年以上高校野球実況を担当しました。

そのスキルアップの過程で気づいたことを
今回は皆さんとシェアしたいと思います。


かれこれ7-8年前の話です。

私はカーラジオでプロ野球実況を聞いて
「耳で覚える」、「声に出してまねる」という練習をしていました。

そのときに「これぞ職人技!」という実況を
たまたま聞くことができたのです。

試合の状況はこのようなものでした。

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・ランナーが3塁。得点のチャンス。

・打者はスクイズ(点を入れるためのバント)
 打球は ピッチャー前に転がる。

・3塁ランナーがホームに向かう。

・ピッチャーは素早く本塁(ホーム)へ送球する必要がある。
 でないと3塁ランナーが生還し、相手の得点。

・ピッチャーは、打球をグラブで取ると、
 球を左手から右手に持ち替えるため、時間をロス。
 ランナーをアウトにできない可能性。

・そのためピッチャーは
 「打球をグラブではたいて、球を本塁へ押し返すプレー」を選択。

・「ボールは本塁の捕手へ送られて…」
 捕手は滑り込んでくる3塁ランナーと交錯。
 点が入るかどうかのきわどいプレー…

… という、流れのあるプレーでした。

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野球のルールがよくわからない、という皆さん、
「点が入るかどうかの場面だ」とご理解ください。

説明文にすると上記の通り、非常に長い文章が必要な場面です。

ですが私が聞いた実況で、そのアナウンサーはこう言い切りました。

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「スクイズ! ピッチャー前、グラブトス、バックホーム!」

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これだけでした。

たったの2秒ですべてを言い切ったのです。

長い説明を「最も短い用語」に言いかえたのです。

これぞ職人技!という実況でした。


「打球をグラブではたいて、球を押し返すプレー」は
「グラブトス」の5文字に圧縮。

「ボールは本塁の捕手へ送られて」…という部分は
「バックホーム」の6文字に変えているのです。


「バックホーム」というと、たとえばイチロー選手の
レーザービーム送球のような「外野からの遠投」をイメージしがちですが
「キャッチャ―への返球」ならばどこから投げても「バックホーム」。

この場面は「ピッチャーがグラブではたく1m先へのトス」ですが
「グラブトス・バックホーム」で通じるわけです。

私は思わず

「この実況アナはすごい!」と、ラジオの前でうなりました。


その実況アナの方の名前は確認できなかったのですが
言葉の「圧縮力」は今でも鮮明な記憶として残っています。

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まとめです。

言葉の「圧縮・凝縮」は、強い印象を与えます。

聞きやすく、わかりやすく、聡明な印象をも与えます。

言葉を凝縮・圧縮するには、
プロの技をまねるのが最も手っ取り早いと考えます。

意識してニュースやスポーツ実況を見聞きしたり、
新聞などを読むことで、プロたちが苦労して
「圧縮した言葉」を見つけられることも多いはずです。

プロのワザを使わない手はないですよね。

皆さんもぜひご参考になさってください。

トークレスキューでは志ある皆様を心から応援します。

次回のコラムもどうぞお楽しみに!(講師・高木)


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