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【スピーチコラム】話が長くなる方へのヒント 実況アナの「2秒」の職人技

2019/07/03

スピーチ講座トークレスキューの高木です。
このコラムではスピーチを控えた皆様や
人前で話す皆様向けの記事を掲載しています。

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きょうのテーマは「話を短くするヒント」です




もうすぐ夏の高校野球のシーズンです。

私はラジオ局のアナウンサー時代に10年以上、
水戸市民球場での高校野球実況を担当しました。

スポーツ実況は日々の訓練が欠かせません。

私はカーラジオでプロ野球実況を聞いて
「耳で覚える」、「声に出してまねる」
という練習を重ねていました。

その時に「これぞ職人技!」という実況を
聞くことができたのです。

まずはプレーの状況を説明しましょう。
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< 状況 >

・状況:
 ランナー(走者)3塁。得点チャンス。

・打者(バッター):
 「スクイズ」(点を入れるためのバント)選択。


・打球:
 ピッチャー前に転がる。

・3塁走者:ホームに向かう。

・投手(状況):
 素早く本塁(ホーム)へ送球する必要。
 3塁走者の阻止をしないと相手の得点。

・投手(動作):
 打球をグラブで取ると、球の持ち変えで
 コンマ数秒の時間ロス=走者を阻止できない可能性。

・投手(判断):
 「グラブでボールをはたくプレー}
 =「球を本塁へ押し返す動作」を選択。


・ボール:
 本塁の捕手へ送られる。

・捕手(キャッチャー):
 滑り込む3塁ランナーと交錯。
 点が入るかどうかのきわどいプレー…

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プレー状況を長い言葉で説明すると
上記のようになります。

野球のルールがよくわからない、という皆さん、

「点が入るかどうかの場面だ」

とご理解ください。




その場面を普通に実況すれば、
こんな言い回しになります。

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(普通の実況)

バッター、バットを横に寝かせた。スクイズ!
打球はピッチャー前に転がった。

ピッチャー、前に出た、素手で取るか?
ボールを取らずグラブでボールをはたいた。
はたかれたボールはキャッチャーへ。

ランナー、ホームに向かう、クロスプレー、
判定は…セーフ、ホームイン! 同点!


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流れのあるプレーなので、これもまた
実況パターンとしては大いにあり、です。

ただどうしても言い回しは長くなります。


ですが私が聞いた「神実況」はなんと2秒で
このプレーを言い切ったのです。

そのアナウンサーはこう言い切りました。

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「スクイズ! ピッチャー前、
 グラブトス、バックホーム!」


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これだけでした。

たったの2秒ですべてを言い切ったのです。

非常に長い説明を
「最も短い用語」に言いかえたのです。

これぞ職人技!という「神実況」でした。

解説しましょう

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(解説)

・打者(バッター)+ 打球
 =プレー説明と球の位置のみ説明。

 ⇒ 「スクイズ」「ピッチャー前」


・「グラブでボールをはたくプレー}
  =「球を本塁へ押し返す動作」

 ⇒ 「グラブトス」の5文字に圧縮。

・ボール:
 「本塁の捕手へ送られる。…」

 ⇒ 「バックホーム」の6文字に変換!

 「バックホーム」というと、
 イチロー選手のレーザービーム送球のような
 「外野からの遠投」をイメージしがちですが
 「捕手への返球」ならばどこから投げても
 「バックホーム」となります。

 この場面は
 「ピッチャーがグラブではたく
  約1m先へのアンダーハンドトス」ですが

 「グラブトス・バックホーム」で通じるわけです。

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私は思わず

「この実況アナはすごい!」

と、ラジオの前でうなりました。

その方の名前は確認できなかったのですが
言葉の「圧縮力」はまさに神業。

今でも鮮明な記憶として残っています。

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まとめです。

言葉の「圧縮・凝縮」は、
時間を短縮し、聞き手に好印象を与えます。

聞きやすさ、わかりやすさ、だけでなく
「聡明な印象」をも与えるのです。

言葉を凝縮・圧縮するには、
プロの技をまねるのが最も効果的。

意識してニュースや実況を見聞きしたり、
新聞等を読むことが実は近道です。

マスコミ現場ではプロたちが苦労して
「圧縮した言葉」を世に出しているからです。

プロのワザを使わない手はないですよね。

皆さんもぜひご参考になさってください。
皆様のご参考になれば幸いです。

(講師:高木圭二郎)

[内容更新:2019年7月4日]

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